こどもの治療

こどもの治療の進め方

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こどもの治療の進め方

こどもの矯正歯科治療には、「1期治療」と「2期治療」があります。

「1期治療」は永久歯がきれいに生えるようにあごの成長をコントロールしたり、上下のあごの成長のバランスをコントロールし、受け口や出っ歯の根本的な原因にアプローチする治療を行います。また、口呼吸や指しゃぶりや舌の悪い癖を早い時期に改善します。女性の場合は小学生、男性の場合は小中学生で行う治療です。お子さんによっては1期治療で終了することもあります。

「2期治療」は永久歯が生えそろった後に行い、歯にブラケットとワイヤーをつける治療で、女性の場合は中学生以降、男性の場合は高校生以降に行います。基本的に大人の矯正治療と同じです。

STEP 1/2 - 小中学生頃(1期治療)
初診相談
検査
(分析)
診断・治療計画
1期治療
1期治療が終了

1期治療は、乳歯が永久歯に生え変わり始める6歳頃から、永久歯が生えそろう12〜15歳頃までの間に行います。この時期に「出っ歯」 「受け口」「でこぼこ」「永久歯が生える場所が足りなさそう」などといった場合は、一度ご相談ください。

主に正常な顎の発達を促すための治療を行っていきます。この時期にしかできない成長を利用した非常に重要な治療です。また、お子さんの歯並びや顎の発達の問題が、本人の舌やお口まわりのクセによって起こっている場合は、クセを取り除くための治療(MFT)を行います。

  • 主に取り外しのできる矯正装置を夜寝るときに使用していただきます。
  • 通院間隔は1〜3ヶ月に1回です。
  • 1期治療の後は、2期治療の時期が来るまで3〜6ヶ月ごとに来院いただき様子をみます。
  • 1期治療終了時まで大きな問題がないお子さんの場合、2期治療は必要ありません。
STEP 2/2 - 中高生以降(2期治療)
検査
(分析)
診断・治療計画
2期治療
保定
治療全体が終了

こどもの治療を進める上で大切にしていること

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こどもの治療を進める上で大切にしていること

お子さん自身にもわかるように、治療方針や治療内容を説明します

矯正歯科治療は、患者さんの理解と協力がとても重要です。それはどんなに小さいお子さんであっても同じだと考えています。そのため本人の意志を尊重し、治療への不安を取り除き、そしてやる気を引き出せるように、お話をする時間をしっかりとるようにしています。

お子さんの性格や成長に合わせて、治療を進めます

性格や性別、成長発達段階によって、同じ時期に同じ装置を使っても慣れるまで個人差があります。お子さんをよく観察し、楽しく治療が進められるように配慮しています。

学校生活や部活動、習い事への影響が最小限となるように配慮します

基本的に取り外しのできる装置を、寝るときに使用する治療方針を選択しています。そしてお子さんにとって負担の少ない治療になるように配慮しています。

こどもの時期から治療するメリット

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こどもの時期から治療するメリット

かみ合わせをしっかり治すことができます

成長期のこどもの場合、お子さんがもともと持っている成長力を引き出すことで、受け口や出っ歯の根本的原因である骨格性の問題にアプローチすることができます。一方、成長のない大人ではこのような顎の骨の成長が期待できないため、骨格性の問題があっても永久歯を抜歯することでカモフラージュして治療せざるをえません。そのため、子供のころから治療をした場合のほうが、より良好で長期安定した治療結果を得やすい傾向にあります。

お子さんにとって負担の少ない治療を選択できます

1期治療では、基本的に取り外しのできる装置を寝るときに使用します。そのため学校生活や、部活動、習い事への影響は最小限に抑えることができます。

永久歯を抜歯しない治療を選択できる可能性があります

お子さんにとっては抜歯が一番怖いことだと思います。こどもの治療(1期治療)では将来的にでこぼこにならないように、これから生えている永久歯のためにあらかじめ場所を作っておくことが可能です。そのため、症状にもよりますが将来的に永久歯の抜歯を回避できる可能性もあります。
※永久歯が生えてくるのに支障がある場合は乳歯の抜歯を適宜行います。

コンプレックスになる前に早めに対処できます

小さいお子さんであっても、女の子であっても男の子であっても見た目はとても大切だと思います。本人がコンプレックスに感じる前に治療で改善してあげるのは大きなメリットです。

むし歯や歯肉炎になりにくい環境をつくることができます

特に歯のでこぼこを治すことで、歯磨きがしやすくなり虫歯や歯肉炎になりにくくなります。

クセを早めに治すことができます

指しゃぶり、唇をかむクセ、飲み込むときのクセなどは、歯並びやかみ合わせに大きな影響を及ぼします。そのため、唇や舌のクセによって歯並び・かみ合わせが悪くなることがあり、そしてクセが残っているとどんなに治療を頑張っても後戻りの原因にもなります。大人になってからクセを治すのはとても大変ですので、お子さんのうちから早めに対処することが大切です。

こどもの治療にともなうリスクについて

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こどもの治療にともなうリスクについて

歯磨きをしないとむし歯になりやすくなります

矯正歯科治療の有無にかかわらず、歯磨きをしないとむし歯になります。特に矯正装置を装着していると、歯磨きが難しくなりむし歯のリスクが高くなります。治療開始時に歯磨き指導を行いますが、治療中に歯磨きができていない場合は治療を中断する場合もあります。

痛みがでることがあります

矯正装置を装着すると痛みが生じることがあります。痛みが出るほど大きな力をかけることはありませんが、どうしても食事がとれないなど生活に支障がある場合は、鎮痛剤で対応することもあります。

装置に慣れるまでには時間がかかります

個人差はありますが、2〜3日から1週間程度で慣れてくることが多いです。慣れるまでは話しづらい、つばを飲み込みにくいという症状が出やすいです。

装置の不具合が生じることがあります

矯正装置は壊れやすいものです。落としたり踏んだりすると、変形したり壊れたりしますので大切に取り扱う必要があります。また大切に使っていても、歯の生えかわりなどで装置が合わなくなったり、痛くなったりすることがあります。早めの対応が必要な場合もありますので、ご心配なことがあるときはご連絡ください。

乳歯の抜歯をする場合もあります

永久歯の生えかわりに支障が生じる可能性があると判断した場合には、乳歯の抜歯をすることがあります。

成長にともない治療方針を大きく変更することがあります

予測を超える顎の発育が生じた場合、当初の治療方針を変更する場合があります。また、これにより永久歯の抜歯や顎の手術が必要になる場合もあります。

治療への協力をお願いします

こどもの治療では取り外しのできる装置を使うことが多いため、指示した使用方法を守ることができないと、予定通りの治療をすることができません。本人だけではなく、保護者のご協力もとても大切です。